高校生のみなさんは、薬局の薬剤師が薬学生の薬局実習の受け入れを行っていることをご存知ですか。臨床で実践的な薬剤師の養成ができるように薬学部も6年制になり3年目となりましたが、6年制では長期実習がカリキュラムに取り入れられています。事前実習1ヶ月、病院実習2.5ヶ月、薬局実習2.5ヶ月の実習が必須となります。また、6年制の実習は大学で学んだことを実践してもらう参加型の実習になります。未来の薬剤師を育てるために、薬局実習にきた薬学生にどのようなことを指導しているのかお話ししたいと思います。
現在受け入れているのは4年制の薬学生で実習期間は短いです。先日来られた薬学生は1週間実習(実質5日間)でしたが、うちの薬局で4日間受け入れを行いました。まず、初日に導入講義としまして、挨拶の仕方を学んでもらいます。うちの薬局は調剤専門の薬局ではないので、基本的に来客者には「いらっしゃいませ」と挨拶してもらいます。処方せんを持参された方には「いらっしゃいませ」とは言わずに、「おはようございます」など挨拶を変えてもらいます。お帰りの際には「ありがとうございます」「お大事になさってください」の言葉を使い分けてもらいます。
1日の実習スケジュールの例を挙げますと、午前中処方せん調剤の忙しい時間には、調剤室の中で一緒に処方せんを見ながら調剤実習を行ってもらいます。例えば、計数調剤では、適切なmg数の薬剤が選択でき、必要な数を揃えられるよう実習します。一包化調剤では、服用時点ごとに適切に調剤できるか、軟膏混合も実際にしてもらって、管理出来る範囲でできるだけ参加してもらうようにしています。
午後には、薬局で取り扱っている一般用医薬品の商品を分類し列挙し、一般用医薬品について含まれる成分の比較などを実習します。また、医薬品メーカーのMR(医薬品情報担当者)の方にお願いして薬局内で勉強会を開いてもらうこともあります。私は、学校薬剤師もしており、学校へ水道水の検査に一緒に連れて行くなど、薬局外での実習もしています。毎日終了時にはレポートを記入し1日実習したことを振り返ってもらい、フィードバックを行います。このような流れで実習は行われます。
薬学生の実習を受け入れる事によって、将来の薬剤師となるための手助けを行い、自分も共に学んで成長していきたいと思っています。
2008.10.11辻内秀美 (1987年 生物薬学科卒)
オープンキャンパスの情報も掲載!