それは、糖分(炭水化物)も一緒に取ることです。トリプトファンが脳内に侵入するためにはインスリン(血糖値を下げるホルモン)の存在が必要なのです。なぜなら、インスリンは血糖値を下げるだけでなく、トリプトファン以外の血中アミノ酸値も下げますので、トリプトファンが他のアミノ酸に妨げられることなく脳内へ侵入できるようになるからです。つまり、糖分を取ると血糖(ブドウ糖)値が高くなり、その刺激で膵臓からインスリンが分泌され、血中のトリプトファンが脳に入りやすくなり、脳内のセロトニンが増えるということになります。食後に甘いデザートを食べるのは理にかなっているように思われます。これに対し、インスリン作用が弱まっている糖尿病の人やタンパク質が不足するほどの無理なダイエットをしている人は「プチうつ」を招きやすいといわれています。
食品以外では、天然ハーブのセントジョーンズワート(写真はWikipediaより)があります。これには脳内のセロトニン量を増やす作用があるとされ、日本や米国ではサプリメントとして、ドイツでは軽いうつ病の薬として使用されています。さらに、運動(ウォーキング、ランニング、深呼吸、食物をかむなど)、座禅(リラックス)、朝日を浴びることなども脳内のセロトニンを増加させることがわかっています。
さあ皆さん、規則正しい生活習慣(食事、運動、睡眠、休養)を実行することによって「プチうつ」気分にサヨナラしましょう。
(このエントリーには前編があります。あわせてお読みください)
2008.04.21國友勝
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