- 2022.03.15
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- 健康生命薬科学科
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- 薬学部の崎谷愛未助手が第23回日本亜鉛栄養治療研究会学術集会で優秀演題賞を受賞しました
本学薬学部助手の崎谷愛未先生が、2022年2月5日に開催された第23回日本亜鉛栄養治療研究会学術集会で優秀演題賞を受賞しました。
演題は、「エストロゲン受容体陽性乳がんの薬剤感受性を制御する亜鉛と亜鉛トランスポーター」です。
現在、日本人女性がかかるがんの中で最も多いのは乳がんで、新たに乳がんと診断される女性は、年間9万人を超えています。乳がんの70-80%はエストロゲン受容体陽性乳がんであるため、その治療にはタモキシフェンを代表とするホルモン療法が選択され、比較的治療効果は高く、予後も良いとされています。しかし、ホルモン療法が効かない症例や、ホルモン療法中に、副作用の発現や効果の減弱・薬剤抵抗性を引き起こす症例が少なからずあり、現在確立されている治療法には限界があります。本研究では、必須微量元素である亜鉛とその輸送体である亜鉛トランスポーターの働きを利用して、ホルモン療法における不都合な事態を解決し、副作用なく安全に、抗がん剤の効き目を操ることに成功しました。
崎谷先生は、2021年3月、北海道大学大学院総合化学院修士課程を修了し、同年4月に本学に着任されました。薬剤学研究室(中瀬朋夏教授主宰)に所属し、卒業研究で配属された学生とともに、本研究を進めてきました。得意な化学をベースに、薬学の教育と研究に励む新進気鋭の先生です。
崎谷先生は、「受賞できましたこと、大変嬉しく思います。薬剤学研究室のみなさまのご支援に感謝申し上げます。乳がん治療に貢献できるよう、今後も学生さんとともに研究を進めていきます。」と話しています。
本賞は、日本亜鉛栄養治療研究会学術集会の一般演題の中から、審査員、参加者による厳正かつ慎重な選考の結果、優れた研究内容を有する発表をした研究者に授与されるものです。
(新型コロナウイルス感染拡大防止に努め、撮影時のみマスクを外しています。)