- 2024.12.06
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- 本学教員が幼児対象の「衛生的手洗い教材」として「カニさん手洗い」を発表しました
臨床製剤学研究室の吉田都教授、林紗希助手が衛生的手洗い教材の開発に取り組み、11月2~4日に行われた第34回日本医療薬学会年会で発表しました。同教授のチームでは、本学教育学科や附属保育園と連携し、幼児を対象とした「楽しく学べる」薬育教材の開発を目指しています。
吉田教授らは、新型コロナウィルス感染症が5類に移行して以来、手洗いの意識が薄まっていることに着目。特に指先や指の間に汚れが残りがちであることから、子どもたちが歌に合わせて遊びながら隅々まで手洗いができる方法の開発に着手しました。
まず、手洗いを薬育として実施するために「汚れ」に見立てた舐めても安心な手洗いクリームを開発しました。
次に、「ソーセージパン」「焼きそばパン」など、手の平と指をパンと具になぞらえて洗う「パン屋さん手洗い」を考案しましたが、幼児を対象とするには「ストーリーがないので覚えにくい」という難点がありました。
林助手の「カニが体を洗う手遊びにしては」という発案もあってカニが足やはさみを洗うように指を一本一本丁寧に洗い、手の平と指先を擦り合わせて爪の間までしっかり洗えるよう工夫された「カニさん手洗い」が誕生しました。
「みぎてだして、ひだりてだして、かにさんこんにちは(カニッカニッ)、せっけんあわあわ おなかすりすり・・・」という歌詞とメロディも林助手作。「小さな子どもはよく指先をなめるのに、一般的な手洗い歌では指先があまり洗えないのが気になっていました。自分が子育てしながら自然に口ずさんでいたメロディに乗せて、楽しく覚えやすい歌にしました」と林さんは話します。
10月には武庫川女子大学附属保育園の5歳児を対象に、「カニさん手洗い」を薬育教材として実際に手洗いを指導しました。
吉田教授は「園児たちは楽しくカニさん手洗いを実践してくれました。附属保育園を有し、幅広い学部学科を有する総合大学である武庫川女子大学だからこそできる連携です。せっかく定着した衛生意識を継続するきっかけになれば」と話しています。
武庫川女子大学薬学部薬学科臨床製剤学研究室では、薬物乱用が低年齢化していることから、低年齢層の子どもたちへの薬育の必要性を提唱しており、「カニさん手洗い」が薬育教材として定着することを目指し、さらに完成度を高めます。また、現在、歌詞の英語翻訳にも挑戦しており、万博での実施を目指して日々研究に取り組んでいます。
薬学部広報委員会